長野県神道青年会

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新穀斎田稲刈り(平成20年10月6日)

 

新穀斎田の稲刈りが行われました。田圃の管理をして下さっている山田ライスセンターの山田さんと打合せ「ここぞ・・」という日の実施となりました。

当日の様子は下記による本会オシボリ特派員の臨場感たっぷりの報告を御覧下さい。

 

《稲刈り》

「ざっ、ざっ」…小雨舞う中、それはとても気持ちの良い音だった。

10月6日長野県神道青年会60周年事業の一つの柱“新穀斎田”での稲刈りが行われた。

稲刈りのほとんどは、山田ライスセンターさんにお願いして機械により行われる。しかし、それでもという会長副会長の意向により、斎田の隅の方は神道青年会員の手により刈らせていただいた。左手で稲を持ち、右手の稲刈り鎌で刃を当てて引く。「ざっ」…と驚く程簡単に刈れてしまう。子供のようだが、皆その感覚が楽しくて夢中になっているように見えた。不思議と気分も清々しく、和やかな空気がそこにはあった。それは、現在の殺伐とした社会、世の中はスピードと短期間に目に見える結果を求め、また家族、地域の絆が薄れ、メディアからもたらされる様々な事件によりまず疑ってかからなくてはいけなくなってしまったこの時代に一番必要なものではないかと感じる。

しかし、これは実際にやってみないと、自然に直に触れ合う生活をしていないと解らない。

今の私たちの世代は昔の人に比べ食べ物に困ることもないし、また必要以上に物が溢れかえっている。昔の人のように食料、自然の恵みに対して感謝する機会、肌で感じとる機会が少なくなってきている。実際、東京で一人暮らしをしていた時、食料や水はお金で買えばいいと思ってしまう自分がとても悲しかった。

また国家的にみても同じで、世界からみたら国土の狭い日本にあって、外国から食料を輸入し、その分他の産業で輸出すれば国が豊かになるという流れが、つまり日本人(神社)としての基本の衣、食、住に代わり、金が生活の基盤になる風潮が、戦後日本の復興、経済発展を遂げる上で広まってきた。

次第に国土は荒れ、日本の食糧自給率は低迷の一途を辿っている。私たちは、日本人として大切なものを代償にして、経済大国として発展してきたように思えてならない。

話の飛躍から戻り、稲刈りの時、一、二本稲が地面に落ちていても私はたいして気に留めなかったが、年配の方がそれを丁寧に一本ずつ集めているのを見て痛感したことがある。私は神職でありながら、あまりに土と離れた生活をしていると…。

豊葦原瑞穂の国の民として生まれ、その国の美称とは全く正反対の方向に向かっている現代社会。その中で、今回周年事業として土と触れ合う体験をさせていただいた諸先輩方の国を想う気持ち、子孫を想う気持ちにただただ感謝するばかりである。

 

二十代会員として、長野県、せめて地元の地域だけでも瑞穂の国と言える、穂波の漂う中での地域ぐるみの自然と共にある生活をしたい。

 

                  (執筆:オシボリ特派員)

 

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